第65章 原口美愛は知ってしまったのか?

有岡里穂は、今にも飛び出していきたい衝動を必死に押し殺し、真っ先にスマホを取り出して目の前の光景を撮影した。

道路の向こう側にいる二人は、こちらの気配などまるで気づいていないらしい。何事もない顔で、別方向へ歩いていく。

徒歩5分――ようやく目的地に着いた。

里穂は怒りで全身がこわばったまま、目の前のビルを睨みつけ、歯を食いしばって吐き捨てる。

「……ホテル!」

胸の奥がむかむかして、吐き気がこみ上げる。里穂は深く息を吸い、スマホを構えた。シャッターを切る指が、せわしなく動く。

ホテルの入口であの男女が夢中でキスを交わし、そのままチェックインの手続きをするまで――5分にも及ぶ動画が...

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